いつも物静かなHさんですが、車椅子を押していると「あぁ~」と声を発せられました。
おひなさまをご覧になり、その美しさに魅せられてのことでした。
その後は何もおっしゃらず、お一人でじっくりと七段飾りをめでておられました。
あんまり静かにご覧になっているので、何を想っていらっしゃるのか気になりお話をうかがったところ、Hさんには女の子のお孫さんがいらして、幼い頃にそのお孫さんの為にひな人形を飾った思い出があるとのこと。
また、ご自身が幼い頃にひな人形を飾ってもらった遠い記憶をひも解いておられるご様子でした。
静かに思い出にふける、そんな時間も大切にしてさしあげたい、と実感したひと時でありました。
人形の優しい表情は、まるで滝町デイケアの利用者様を見守ってくれているかのようです。
おひなさまがそこにいてくれるだけで、デイケアフロアーが華やかな雰囲気になります。
ずっと一緒にいたいけれど、これからお嫁にいく職員もおりますので…。