平成29年度の後半に向かって、「挨拶は仕事」として頑張ろう

理事長雑感のようなものを毎月の部長会報告の冒頭に「はじめに」としてまとめております。5月から8月までのものです。

浜松医科大学第二内科呼吸器グループのホームページに「前科長のぼやき、時々真面目」として掲載しております。こちらは医局員向けです。内容が一部重複しますが、ご参考に。


2017年8月

1)挨拶は仕事である

組織内において役割をいかに指示するかは結構悩ましいことです。
指示の仕方には大きく分けて2つの方法があります。
一つは、ポジティブリストを示すこと。これはやって良いことを列挙しておいて、この規範に従って行動してもらうこと。もう一つは、ネガティブリストを示すこと。これはやってはいけないことを列挙しておいて、この規範に従って行動してもらうこと。

当然、ネガティブリストに従う方が、自由度が高く想定していなかった事態への対応がうまくいきます。これはやって良いと言うポジティブリストで規制された自衛隊では、おそらく緊急事態にうまく機能しないだろうと言われる所以です。

ただ、必ずしも「〜〜してはいけない」というネガティブリストが良いわけではなく、仮にご主人が靴下を脱ぎっぱなしにして困るっているならば、
「靴下を脱ぎ捨てにしないこと」というネガティブリストとして挙げるより、
「靴下は洗濯機に入れよう」とポジティブに指示する方が角が立ちません。

さて、では当法人はどのような規範で動いているのでしょうか?
医療・介護という範囲では国の定めた法律がありますので、それに従うのは当たり前です。その法律はポジティブ・ネガティブ両方のリストが入り混じっています。しかしこれに従っているだけの守りの姿勢では良い組織は出来ません。

そこで我々は「医療・介護で日本一」という目標を立て、それを達成するため「マンダラチャート」を作成しました。
その中で、「気軽に挨拶をすること」を挙げています。(最近マンダラチャートを見ていない方は、たまには眼を向けてください)

なぜ挨拶がそれ程に強調されるのか、職員の皆様は日常的に施設内で挨拶が交わされることでおそらく感じられていると思いますが、挨拶が仕事の第一歩であり、挨拶によって仕事がスムーズに進んで行っているからです。
挨拶は仕事の第一歩と心得てください。
現状、かなり浸透していると感じております。

我々がいくら自分の施設が良い所だと力説しても誰も振り向いてくれません。しかし利用者の皆さんやご家族が「あの施設は良い」という一言は大きな影響があることを、今一度認識してください。
逆もまた真なりで、ご家族に不快な思いをさせてはいけません。そのためにはまずは挨拶を徹底してください。

2)適切な室温設定を、こまめに

今後、室温計を設置いたします。なんとなくこのくらいの感じでいい、というのではなく科学的な客観的な値を基に室温設定をこまめに行ってください。

ベットで休んでいるご高齢の利用者さんは、忙しく働いている職員よりも高めの室温を好むようですので、室温計はベットの高さに設置し26℃から27℃に設定してください。一方、詰所は低めで良いと思います。
エアコンの設定温度ではなく、測定した温度を参考にしてください。
人の居ないような所は無駄に冷やさないよう(暖めないよう)お願いします。

3)もう一つの我が家を目指して

先日SBSラジオに招かれ、当施設の紹介と老後の不安をなくすためには題して話をしてまいりました。

詳細はホームページなどに紹介されるとのことですが、喋ったことを簡単にまとめると、
「当施設をもう一つの我が家として、安心してご利用ください」、
「当法人では職員の老後の不安をなくすため、年齢に関係なく何らかの形で雇用を継続していく予定である」、といった内容です。

これらを実践できるようご協力ください。

4)ネームプレートの件

いろいろな案があるのですが、いずれも帯に短し襷に長しといった感じです。
もうしばらく検討いたします。


2017年7月

現在、私は以下のような二律背反する数学を解く努力をしております。
職員の方々も是非ともこの点をご理解いただきご協力をお願いいたします。

その数式とは:

答え利益(利益は稼働率・やる気)弁済・職員報酬アップ・設備投資

であります。

稼働をあげていただきたいということは、以前からお願いしている重要事項です。
弁済は当法人の存続のため必須事項です。
職員の処遇を改善していくことも私にとっての大きな目標です。徐々にではありますが、皆様の頑張りに答えているつもりであります。

設備投資の話になります。
これも法人が果たす役割を全うするためには不可欠なのです。利用者さまのためには十分に配慮をしていかねばなりません。
ここでこの点に関して今一度立ち止まって考えていただきたい、というのが今回の「はじめに」の主旨です。
「あると便利は、あると邪魔(あると不経済)」
「居ると便利は、居ると邪魔(居ると不経済)」ということを肝に命じてください。
ご自身のお宅で必要と思われる物について、塾考してから購入するものと思います。果たして必要かどうか、買うとしたらどのようなものか、その金額はなど。
今回、稟議書である施設から施設内のすべてのカーテンの更新希望で、800万円を超える申請がありました。
私の視察時にカーテンの汚れの話があり更新の指示をいたしました。カーテンは高価であることは承知しております。従って、時間を掛けて順次更新していただきたいと思いました。
800万円超というと老健の1ヶ月分の利益に相当し、1000万円というとほぼ賞与の0.1ヶ月分に相当します。
従って、前記の数式に悩んでいる身としては、もう少しこのような申請に配慮をしていただきたいと考えます。今年度は400万円の範囲でやっていただきます。

似たような話ですが、仮に各施設で2名の従業員が増えると、給与や保険料その他を含めて法人全体では年間4000万円、つまり賞与0.4ヶ月分に相当する支出が発生します。
このことは法律で規定されていない人員については、なるべくお互いに皆様がカバーして人員を抑えれば、その分の職員報酬は上がることを意味します。
一方「居ると助かる」と言って人員を増やせば、その分だけ減ることをご理解ください。
稼働が上がらない状況で、職員報酬の増額と設備の充実はなかなか難しいのはご理解いただけますでしょうか。

次に、施設の各部屋および廊下に室温計を設置します。職員の方が快適な温度とご高齢の患者さまのそれは異なること、さらに不必要に温度が下がっている場所が存在するので、客観的な指標として何度であるか時々チェックしていただくためです。科学的なデータを参考にしてください。
また医局内は、夜間offになっているか見回ってください。

薬剤部、看護師の方へ。
内服薬多剤投与はしばしば抗精神薬で問題とされますが、基本的にどの種類の薬でもご高齢であればあるほど問題が生じます。
そのような患者さまがおられるようであれば、チェックをお願いいたします。
理想は5剤以下ですが、当面、8剤以上の患者さまについて7剤以下にならないか、コメディカルの立場から再検討を促してください。
前医の処方が見直されずに継続している場合はないでしょうか?


2017年6月

「老後に不安があるか」と問われれば、おそらくほとんどの人は不安があると答えるでしょう。我々の仕事はそれを軽減する仕事です。

具体的に私の立場から当法人が目指しているものを整理して記載します。

まず、①デイケアと介護老人保健施設と慢性期病院の運営を通して、「施設」ではなく「我が家の一つ」として理解してもらえるよう家族の一員のような看護・介護を目指していることがあげられます。
世の中の動静として訪問診療、在宅介護がありますが、現実的に在宅介護をしたくてもできない状況は少なくありません。介護のために離職をしてしまう愚は避けねばならないというのが持論です。
在宅か施設かの二項対立的な選択にならないような「我が家としての施設」を目指しましょう。

また同時に老後があるから心配ならば、②高齢者の雇用を確保して、その方の老後そのものを無くしていこうと考えています。生涯現役ならば解決します。
役職定年は設けていますが、本人が動ける限りは働いていただきたいと思っております。仮に死ぬ直前まで働ければ老後はなくなります。つまり「職員の老後をなくす」ことが可能なのです。死ぬ直前でなくともそこそこまで働けばそれまで老後の収入を確保できるでしょう。
以上、老後の不安をなくすため、①②を目指しています。

今後、仕事を辞めていかれる方々に対してアンケート用紙をお配りして、当施設の問題点を記載していただくこととしました。退職者からのアンケートは貴重なご意見であろうと理解しています。名前は公表されることのない理事長宛ですので、忌憚のないご意見をいただき今後の参考させていただけるものと思います。このアンケートの中で指摘されることがないよう日々改善を目指していきましょう。

今後、事務長を始めとして各職種において「公募制度」の導入を考えております。我こそはと思われる方に応募していただき人選をしていくようなことを考えています。
今回は相談員の公募からスタートしてみる予定です。

先日知り合いの医師が反対車線に飛び出して亡くなられました。高速道路を利用する方は多いかと思います。100 km/時以上を出さないようにしましょう。
一般道では大きな事故はないと思われますが、接触事故は頻発しています。注意して運転してください。
「大丈夫だろう運転」ではなく「何かあるかもしれない運転」をお願いいたします。
悪質なものは懲罰委員会の対象になります。

後述いたしますが、今回は介護職の方の処遇改善を行います。
これにより職員紹介制度(ご本人への支度金と紹介者への報奨金)を利用しやすくなることを希望しております。奮ってご協力ください。
前述のように紹介される方の年齢は不問です。


 2017年5月

1)以前3つのD「でも、だって、どうせ」は止めましょうと書きました。
今回は「さしすせそ」。
調味料ではなく生活や仕事の中でのさしすせそ。これはやめましょう。

  • さ:さっき言ったよね
  • し:知ってるよ
  • す:すぐに○○するね
  • せ:センス悪いよね
  • そ:そんなこともできないの

2)多くの方から、議事録を見ると目安箱の質問内容に問題があると感じさせられる、という指摘をしばしば受けます。記名にしたらよいのでは?というご意見はもっともで、そのことで無責任な発言や投稿はなくなるという意見は当然のことと思います。
ただデメリットもあり当面はこのままでと思っております。現場の生の声、私が現場を訪問しても直接には表に出てこない声、ちょっとした提案(全体に関わる)などを大事にしたいという思いからです。

くれぐれも私を含む他の方々が眼にして不快になるような、この投稿内容はないよねというレベルのものは、避けるようにご注意ください。
基本的に投稿者は不明のままで取り扱いますが、万が一調べられても恥ずかしくない内容を目指してください。
個人攻撃も厳禁です。