事例 : 「トイレ」に真面目

元町デイケアがどのくらい「トイレ」に真面目かという実例をご紹介します

利用開始時

Aさんが元町デイケアの利用を開始した時は、腰の痛みが強く、動作はゆっくり、いつも移動は車椅子を誰かに押してもらう。いろんなことに対して意欲がなく、口癖は

「こんなになっちゃ人間終わり」

でした。
Aさんは自宅で生活し、必要な動作の介助は全て旦那さんに任せる状況でした。
もちろん自宅でのトイレ介助も旦那さんがおこなっていました。昼間は紙パンツを着用し、夜はオムツにて就寝。交換も旦那さんがおこないます。
Aさん本人も気にはしていますが、何よりも旦那さんの負担とストレスが大きく「せめてトイレだけでも…」Aさんが自宅で生活を続けるための一番の『課題』でした。

Aさんの「トイレ」分解

トイレの写真さぁここからが「トイレ」に真面目な私たちのケアの始まりです。
最初にAさんの「トイレ」を分解していきます。分解と言っても壊して新しいトイレを設置するというわけではもちろんなく、

  • トイレの設置状況は?手すりは?ドアの形状は?
  • 部屋からトイレまでの距離は?廊下幅は?段差はある?
  • 今、Aさんが出来ることは?どんな動作が出来る?
  • Aさんの気持ちは?

こんな感じで細かく細かく状況を掘り下げていきます。
そうする事でAさんが自分で「トイレ」にいくために「何が必要か?」を見つけます。

何のためのリハビリか

私たちが最初に目標にしたのは、「立てる事実をわかってもらうこと」。
ここがポイントです。「立つこと」や「歩くこと」を目標にするのではなく、わかってもらうことを目標にしたこと。一番に解決しなければいけないのは、Aさん自身が「トイレに自分で行きたいかも」という気持ちになることだと考えました。
それは「トイレにいこう」と声をかけるだけでは気持ちの変化につながらず、自分自身に「自信」を持ってもらう。私は出来るようになることがある。この気持ちの変化を狙います。

大切なのは「立つため」にリハビリに取り組むのではなく、何のために「立つ」のかを考えてリハビリを提供することだと考えたのです。

  • できることがあると理解してもらうことで自信をつける。
  • 立てる時間が延びればトイレで必要な動作が安定して出来るようになる

これらの目的を持って「立つためのリハビリ」をおこないます。

Aさんの今

イメージ写真

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Aさんは今、ひとりでトイレに行きます。
ひとりで用を足して、手を洗って何事もなかったようにお友達とお話に戻ります。
自宅でも昼夜を問わず自分でトイレに行きます。

まだ歩くことは出来ませんが、車椅子を自分でちょこちょこ動かして移動をします。

自宅がバリアフリーという環境に助けられた面もありますが、
「トイレに自分で行きたい」=「歩けるようにならないといけない」
だったら今もAさんは自分でトイレに行けていなかったかと思います。

しっかり自宅の状況も踏まえて分解し、ひとつひとつ検討したこと
それをもって何を解決したらAさんは「トイレ」にいけるのか考えたこと

ひとりひとりの状況・環境に合わせて考える。これが元町デイケアの「トイレ」に真面目な理由です。
何よりこういった成功の体験をスタッフがしていることが大きな財産です。

最近のAさんの口癖は

「こんなになっても人間出来ることがあるもんだ」

今日もひとりでトイレに向かいます。

施設概要
施設名 元町デイケアセンター
定員数 50 名 (対象者:要支援1~要介護5)
所在地 〒441-8132 愛知県豊橋市南大清水町字元町205
TEL:0532-26-1122
FAX:0532-26-1121

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